国際女性デー(3月8日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ

私たちが毎日支援しているのはDVや虐待など困難を抱えた女性たちですが、絶え間なく続くその困難の根底にはジェンダー不平等や、男性優位の社会構造があります。

それは日本に限ったことではなく、全人類が変革すべきことなのですね。

 

国際女性デーに寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長の力強いビデオ・メッセージを、たくさんの方に聞いてほしいです。

 

以下、ビデオ・メッセージより抜粋

「国際女性デー」にあたり、私たちはあらゆる場所の女性と女児を称えます。 新型コロナウイルス感染症のパンデミックに終止符を打つことへの女性と女児の貢献を称えます。 私たちの世界をよりよいものへと変えている、その発想、イノベーション、積極的な行動を。 あらゆる職業と社会的地位における、そのリーダーシップを。

 

しかし同時に、あまりにも多くの分野で、女性の権利の時計の針が逆戻りしていることも認識しています。 パンデミックにより、女児と女性は学校や職場から締め出されたままです。 貧困の拡大と暴力の増大に直面しています。 無給の、しかし必要不可欠なケア労働の大半を世界中で担っています。 単にジェンダーだけを理由に、暴力と虐待の対象となっています。

政治の場や企業の役員室における女性の比率は、すべての国で恥ずべきほどに低くなっています。

今年のテーマから私たちが再認識するのは、女性や女児が気候変動や環境破壊の矢面に立たされているという事実です。

 

「国際女性デー」にあたり、今こそあらゆる女性と女児のために、時計の針を前に進める時です。 自らの望む人生を築き、世界をすべての人々にとってよりよい場所へと変える手助けができるよう、

あらゆる女児に質の高い教育を保証することを通じて。 女性向けの訓練とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)への、大規模な投資を通じて。 ジェンダーに基づく暴力に終止符を打つための、効果的な行動を通じて。 私たちの地球を守るための、大胆な行動を通じて。 社会的保護制度に完全に統合された、ユニバーサル・ケアを通じて。 そして、クォータ制などの的を絞った措置を通じて、私たち全員が、あらゆる意思決定の場で女性たちの発想、経験、リーダーシップの恩恵を受けられるようにするために。

 

ジェンダーの不平等は本質的には、男性優位の世界、男性優位の文化における権力の問題です。権力の構図をひっくり返さなければなりません。 国連では、本部と世界各地の上級管理職において男女比同率を実現しました。それにより、国連の活動は改善され、国連が貢献するコミュニティーをよりよく代表できています。 私たちは、より多くの女性の環境大臣、ビジネスリーダー、大統領や首相を必要としています。彼女たちは各国を動かして気候危機に対処し、グリーン・ジョブを創出し、より公正で持続可能な世界を構築することができます。

 

ジェンダー平等の時計の針が逆戻りしたままでは、パンデミックから回復することはできません。 私たちは、女性の権利の時計の針を、前へと進めなければなりません。 今がその時です。 * *** *

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国連広報センター(UNIC Tokyo)

YouTubeより